2020年2月、京都大学において行われた第30回日本疫学会学術総会に参加し、始業時刻と日本の高校生との睡眠の関連についてポスター発表を行いました。
今後は学術総会で頂いたご助言を参考に、論文化を進めて参ります。以下は発表の要旨です。

背景:高校生の睡眠不足は世界的に問題となっており、米国や中国、英国では始業時刻が睡眠に与える影響の分析が進んでいます。しかし日本の高校生の睡眠不足は世界的に見ても深刻であるにもかかわらず、日本ではこのような研究が蓄積されていません。

調査方法:本研究では関東圏の高等学校2校を対象に、生徒が学校で活動を始める時刻と睡眠不足との関連、また学校で活動を始める時刻と精神衛生との関連を分析しました。

結果と限界:性別、年齢、クロノタイプを調整した結果、1時間遅い活動開始時刻は、平日の睡眠の12.2分の増加(95%CI: -0.89分から25.36分, p<0.1)、また抑うつの8.6%の減少(95%CI: 2.41%から14.72%, p<0.01)と関連することを明らかにしました。一方で本研究の限界として活動開始時刻が外生的に与えられておらず交絡を排除できていない点が挙げられるため、さらなる研究を行ってまいります。


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